vol.52 化粧品の基礎知識(基礎化粧品-その③) | 札幌市中央区の皮膚科なら宮の森スキンケア診療室

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お肌の基礎知識

vol.52 化粧品の基礎知識(基礎化粧品-その③)

基礎化粧品を使った上手な保湿の仕方を考えてみましょう。

何のために保湿するのか

肌の角質には約20~30%の水分が含まれています。20%以下になるといわゆる乾燥肌になります。乾燥肌は、皮膚のバリア機能を低下させ汗や化学物質などの刺激に弱くなり皮膚炎が起きやすくなります。また様々なアレルゲンの侵入を許しアトピー性皮膚炎の症状を悪化させることもあります。そして何と言っても、乾燥を放置すると小じわの原因になり、さらには真皮に刻まれる深いしわの原因になるのです。
肌の健康を保ちアンチエイジングのためにも保湿は必要なのです。

化粧水だけで十分か

化粧水はその大半約80%が水分です。その他にアルコール類、グリセリンなどが含まれます。少量ですがセラミド、ヒアルロン酸など保湿成分が含まれるものもあります。しかしながらほとんどが水分なためたっぷり使用しても蒸発気化し、また肌のバリア機能により吸収される量は限られています。

十分な保湿をするには美容液や乳液の手助けが必要

化粧水だけでは十分な保湿ができないため、水分を保持するような保湿成分が配合された美容液や乳液をさらに使用することが大切です。
代表的な保湿成分を挙げます。

  • 1.セラミド
    角質の細胞間脂質の40%を占めており、水分を挟み込むようにする強力な水分保持能力があります。
  • 2.ヒアルロン酸
    本来は真皮の網目状構造の隙間を埋めるゼリー状の物質です。高い水分保持能力があります。
  • 3.天然保湿因子(NMF)
    角質内に存在する本来皮膚に備わっている保湿成分の総称です。アミノ酸や尿素など約20種類の成分が含まれます。
  • 4.コラーゲン
    本来は真皮内の繊維芽細胞で作られるアミノ酸です。親水性が高く強い水分保持能力があります。
  • 5.ヘパリン類似物質
    医薬品としても保湿剤として使用されています。
  • 6.その他
    レシチン、スフィンゴ脂質、エラスチンなど。

これらの保湿成分が含まれる美容液や乳液を化粧水の使用後に使うことによって、化粧水の水分をより効果的に肌に取り入れ、さらに美容液や乳液の油分でコーティングすることにより水分が肌から失われるのを防ぎます。