vol.32 便秘 | 札幌市中央区の皮膚科なら宮の森スキンケア診療室

〒064-0825
札幌市中央区北5条西27丁目メディック28 3F

011-640-8180

knowledge
お肌の基礎知識

vol.32 便秘

便秘をすると吹き出物が出るとか、肌荒れが進むなどとよく言われますが、何故なのでしょうか?ここでは便秘と皮膚の関係、便秘の解消法について考えてみたいと思います。

便秘とは

理想的な便の水分量は70~80%です。90%を超えると水様便(下痢)となります。70%以下になると便は硬くなり、60%以下ではさらに硬くカチカチ状態になります。大腸内にたまった内容物の排出が悪いと、水分が吸収され過ぎて硬くなり、さらに排出が悪くなります。これによってお腹が張って不快感が生じ、すっきりしないなどの症状がある場合、これを便秘といいます。また、1日に1~2回の排便が理想的と言われていますが、快適な排便回数には個人差があります。3日に1度でも気持ち良く排便できれば便秘とは言いがたいのです。

便秘と皮膚

腸内には悪玉菌(大腸菌など)と善玉菌(ビフィズス菌など)がいます。健康的な腸内環境では悪玉菌と善玉菌はバランスよく共存しているのです。食べた物から必要な栄養素を吸収して、残りのいらなくなった食べかすが便として排出されるわけですが、これがいつまでも腸内に残り便秘となると悪玉菌が優位となり、腸内の内容物が腐敗し有害物質(アンモニアなど)が発生します。この有害物質がニキビや肌荒れ、吹き出物の原因になっているといわれています。

便秘の種類とその対策 

  • 1.直腸性の便秘
    忙しくて便意を我慢するなどして直腸の感受性が低下してしまったのが原因の便秘です。女性に多い傾向があります。
    3食しっかり食べることが大切です。食物繊維の多く含まれる食品やヨーグルトなど腸の蠕動(ぜんどう)運動を促すものを多く摂りましょう。特に朝食後は便意がなくてもトイレに座るなど、排便のリズムを作るのが解決の第一歩です。
  • 2.弛緩(しかん)性の便秘
    主に運動不足などが原因で、腸の働きが鈍くなることによって生じた便秘です。長期療養の後や出産後によく見られます。
    適度な運動が不可欠です。特に腹筋の強化が重要です。もちろん食物繊維の多く含まれる食品やヨーグルトなどを積極的に摂りましょう。
  • 3.痙攣(けいれん)性の便秘
    過労やストレスなどにより自律神経のバランスが崩れるのが原因で、大腸が強く収縮し痙攣が起こり、便の通過が妨げられて起こる便秘です。
    休息やストレス解消が大切です。香辛料やコーヒーなどは大腸の緊張を悪化させるので控えましょう。消化の良いものを多く摂りましょう。