皮膚には様々な腫瘍ができます。ホクロや粉瘤(ふんりゅう)など良性の腫瘍がほとんどですが、中には悪性のものもあります。皮膚腫瘍の治療の基本は確実に切除することです。もちろん全ての皮膚腫瘍が切除の対象となるわけではありません。皮膚腫瘍を切除するには、たいていの場合局所麻酔の手術で可能です。しかしながら、局所麻酔手術に対する漠然とした恐怖心から、取った方が良いと思われる皮膚腫瘍を長年にわたり放置していたり、どうしようか今までずっと悩んでいたという人が意外と多くいます。ここでは局所麻酔による 手術がどのように行われるのか、また手術後の留意点に関して説明します。
どんな腫瘍が切除の対象になるのか
皮膚にできる腫瘍は多彩です。ホクロ、粉瘤、脂漏性角化症、脂肪腫、線維腫、黄色腫、等。腫瘍の種類によっても切除の適応が違います。ただ全ての腫瘍に共通して言えるのは、以下の場合は切除すべきです。
ある程度の大きさでそれが邪魔になるなど不都合がある
増大傾向が明らか、最近急に大きくなってきた
悪性が疑われる(時々出血する、いつもジクジクしている等)
局所麻酔手術の流れ
皮膚にできる腫瘍は多彩です。ホクロ、粉瘤、脂漏性角化症、脂肪腫、線維腫、黄色腫、等。腫瘍の種類によっても切除の適応が違います。ただ全ての腫瘍に共通して言えるのは、以下の場合は切除すべきです。
消毒
切除する腫瘍の周囲を広めに消毒液で消毒します。これにより皮膚表面の細菌はほとんど殺菌され、清潔な状態で手術が行われます。
デザイン
どのようなかたちで、どのような方向で腫瘍を切除するか、インクを使ってそのデザインを腫瘍の周りに描きます。すなわちこのデザインに沿って後にメスが入るのです。
麻酔
通常はキシロカインという局所麻酔薬を使います。上記のデザインに沿って注射します。多少の痛みを伴います。残念ながらこれだけは我慢するしかありません。しかし、麻酔が終わればもう痛いことはありません。
切除
麻酔が十分に効いていることを確認してから切除に入ります。デザインに沿ってメスを入れ、揃刀(せんとう・外科用のハサミのこと)などを使って腫瘍を切除します。
縫合
切除を終えたら創の閉鎖です。形成外科や皮膚科では比較的細いナイロン糸で縫合します。しかしながら糸が細ければ良いというものではなく、しっかりと創部を合わせるのが重要です。
終了
創部にガーゼなどを当ててテープなどで固定して終了です。
術後の留意点
手術から7日後が抜糸の目安です。術後数日間は創部を濡らさないように注意が必要です(感染防止のため)。通常3-4日目頃から、洗顔やシャワー浴は可能になります。抜糸までは創部をガーゼやカットバンなどで保護する必要があります。例外なく顔にも必要ですので女性の場合特にご注意ください。抜糸は特に痛みもなくすぐに終了します。しかしながら、傷をきれいに治すには、抜糸した後が重要です。テープを貼るなどの傷に対する配慮が必要です。抜糸が終わった後も定期的に傷の経過を見せるのが大切です。