ふとした不注意でお茶をこぼしたり、突然てんぷら油がはねて顔面を直撃したり、やけどを負ってしまうことは誰の身にも起こり得ます。特に小さいお子さんが、カップラーメンをひっくり返した、炊飯器の蒸気を触ったなどしてやけどを負った時に動揺 してどうしたら良いのか分からないこともあるかと思います。ここでは突然のやけどの対処法についてお話しします。
まず何をする?
やけどをして軽症重症に関わらず、まずしなければならないことは患部を冷やすことです。冷やすことでやけどによる皮膚の熱損傷が少なくなります。最低30分は水道水で患部を冷やしてください。顔の場合はアイスノンなどで冷やすと良いでしょう。しかし一番困るのはやけどの範囲が広い場合です。特にストッキングや靴下の上から熱湯がかかってしまった場合、無理に脱ごうとすると皮膚がくっついていっしょにむけてしまうことがあります。こんな時はまずそのまま水道水で冷やして、冷やしながらゆっくり脱ぐか、ハサミで切って少しずつはがして下さい。
患部を冷やす目的で、キャベツを患部に貼ったり、アロエをすりつぶしたものを付けたりする人がいますが、感染の原因になりますのでやめた方が良いでしょう。
次にどの程度のやけどか見極める
- 1.範囲はどの程度か?
もちろん広ければ広いほど重症です。 - 2.やけどの深さは?
やけどは熱損傷の及んだ深さで3段階に分けられます。痛みを伴うが赤くなっているだけで水泡がないのは1度です。水泡を伴うのは2度です。熱損傷が皮膚全てに及んで白っぽく、硬く弾力がなく、水泡を伴わないのが3度です。数値が大きいほど重症です。
病院に行く目安は
素人判断は危険です。基本的にどんなやけどでも病院に行って構わないと思います。より早く、よりきれいに直し、そしてつっぱりや瘢痕などの後遺症を最小限にするためにも病院を受診した方が良いでしょう。 あえて言えば・・・
- 2度以上のやけど(処置を誤るとさらに深いやけどに進行することがあります)
- 顔のやけど(瘢痕や色素沈着などが心配です)
- 手や指、関節部のやけど(瘢痕によるツッパリや拘縮が心配です)
以上のやけどは間違いなく病院を受診した方が良いでしょう。