足の親指(第1趾)の爪の角の部分が皮膚に食い込んで痛かったり化膿して赤く腫れ上がり、歩くのが辛かったりなどの経験はありませんか?これは爪周囲炎、爪周囲膿瘍といいます。創部の消毒、抗生物質の外用や内服、場合によっては切開して膿を出すなどの処置で比較的容易に治ります。しかし、何らかの原因で爪の側面が皮膚に食い込むように変形(陥入)し、これが原因で上記の爪周囲炎、爪周囲膿瘍などの症状を繰り返すことがあります。これが陥入爪です。主に足の親指(第1趾)によく起こります。
陥入爪は何故起こる?
- 1.爪を短く切り過ぎる
深爪を続けると、徐々に爪が湾曲し結果的に陥入爪になってしまいやすくなります。また、爪が当たって痛いからと安易に爪の角を短く丸くしているとなります。 - 2.小さい靴や先の細くなった靴(ハイヒールなど)を履き過ぎる。
足の指先に体重がかかり、爪が陥入しやすくなります。 - 3.生まれつき
爪を作る爪母という組織は指先の骨に接しています。指先の骨の形態が原因で陥入爪や巻き爪(爪全体が丸く巻いた爪)を起こしやすい人がいます。
治療は?
陥入爪によって起こった爪周囲炎、爪周囲膿瘍に対しては、創部の消毒、抗生物質の外用や内服、切開して排膿するなどの処置を行います。しかし、爪周囲炎、爪周囲膿瘍を繰り返す場合は根治的に手術が必要になることがあります。皮膚に陥入する部分の爪母を外科的に切除し陥入する部分を生えなくするのです。特に入院の必要はありませんが、1週間から10日間程、踵をついて歩行して爪先に体重をかけないようにするなどの歩行制限が必要になります。
予防は?
手術が必要になるほどの陥入爪にならないように予防することは可能です。足の爪は、スクエアーカット(角を出し、爪の形が四角くなるようにカットする)が基本です。しかも指先から1~2mm程伸ばして下さい。手で触ってみて爪の角が指先に触れるようなら大丈夫です。スクエアーカットを心掛けることで陥入爪の予防ができます。痛くならないようにと爪の角を丁寧に丸く切る人が意外と多いのですが、これは逆効果です。