透明感のある白い肌は誰もが憧れる理想的な肌です。最近の美白ブームで化粧品の各メーカーから様々な美白剤が発売されています。それらはどんな美白成分が配合されているのでしょうか。またどんな機序で美白作用が起こるのでしょうか。
美白剤を理解するには、シミやくすみの原因となるメラニン色素が皮膚の色素 細胞(メラノサイト)から形成される過程を知る必要があります。簡単に説明すると、
(1)日焼けの原因となる紫外線の影響を受けた皮膚の細胞は、皮膚内にある色素細胞にメラニン色素を作るように命令を出します。
(2)この命令を受け取った色素細胞は、原料となるチロシンという物質を基に メラニン色素を作り出します。
こうしてできたメラニン色素が色素細胞から皮膚の細胞へ輸送され肌が黒くなるのです。現在使われている美白剤の多くは、上記の(2)の部分を阻害してメラニン色素の生成を抑え美白作用を起こすといわれています。それでは美白化粧品に使われる美白成分にはどんなものがあるのでしょうか。
コウジ酸
麹(こうじ)を扱う職人の手が白く美しいことから発見、開発された美白剤です。上記の(2)の部分を阻害してメラニン生成を抑えます。
アルブチン
ツツジ科のコケモモなどの葉に含まれるメラニン生成を抑える物質を基につくられたものです。上記の(2)の部分を阻害します。
エラグ酸
南アメリカ西部砂漠地方のマメ科植物タラから抽出されたものです。上記の(2)の部分を阻害します。
ルシノール
皮膚の角質を融解させる作用のあるレゾルシンという物質を基に作られたものです。上記の(2)の部分を阻害します。
ビタミンC誘導体
ビタミンCの、上記の(2)の部分を阻害する作用を利用して開発された美白剤です。
プラセンタエキス
牛由来の胎盤抽出液で、上記の(2)の部分を阻害します。
カミツレエキス
ヨーロッパ原産のキク科のカミツレから抽出したものです。これは他の美白剤と違って上記の(1)の部分を阻害してメラニン生成を抑えます。
いずれの美白剤も、出来て数年たってしまった明瞭なシミを消すほどの効力はありません。はっきりとしたシミにはレーザー治療が有効です。