ここ数年1FTU(1フィンガー・チップ・ユニット)を基準としたステロイド外用剤などを使用する際の目安が推奨されています。
1FTU(1フィンガー・チップ・ユニット)とは、大人の人差し指の先端から第一関節までチューブから絞り出した量が約0.5gになるというおおよその目安です。
1FTUすなわち0.5gの外用剤を、大人の手のひら2枚分の広さに塗布するのが適当とされています。
例えば、両手のひら全体に手湿疹(主婦湿疹)のある方が一度の外用に使用する量は0.5gと言うことになります。手の甲にも湿疹がある場合はそれ以上の使用になります。仮に一日2回外用すると5日で5g入りのチューブ一本がなくなります。背中は約7FTUとされています。と言うことは背中全体に湿疹がある場合、1回の外用剤使用量は3.5gで1日2回の外用で7gを使用することになります。すなわち背中だけで1日5gの外用剤1本以上使うことになります。両上肢は8FTUとされています。一回使用量は4gで一日2回で8gの使用です。
どう考えても推奨される使用量が現実より多い印象があります。
また、1FTUが0.5gとされている一方で、”25g入りの大きいチューブの場合は1FTUは0.5gで、5g入りの一般的なステロイド外用剤の場合1FTUは約0.2gだ”としている場合もあり統一されていません。
皮膚科学会では”5g入りのチューブの場合、人差し指の先端から第一関節までチューブから2回絞り出した量が約0.5g”としているようです。
推奨している割には基準が統一されていなく、診療に携わる側としては戸惑います。
塗る量を決めるのではなく、「医師の診療のもとに定期的に適量を継続して外用する」のが正しいのではないでしょうか。
1FTU(1フィンガー・チップ・ユニット)って何? (皮膚科情報)