医学の進歩は日進月歩で、うかうかしていると取り残されます。常にアンテナを張っていないと新しい情報を得ることはできません。
どうも最近は皮膚と芳香族炭化水素受容体(AHR)の関係がトレンドのようなので調べてみました。
芳香族炭化水素受容体(AHR)は転写調節性因子の一つであり、様々な遺伝子の転写(遺伝子から酵素やホルモンなどのたんぱく質を産生すること)を促進します。
芳香族炭化水素受容体(AHR)はヒトの体内ほぼすべての臓器に存在・発現しており、特に肺や肝臓に多いことが分かっています。皮膚にも存在します。
紫外線、タバコ、大気汚染・環境汚染物質(ベンゾピレンやダイオキシンなど)や化学物質などは、皮膚や体内に暴露されると細胞質にある芳香族炭化水素受容体(AHR)と結合し活性化し、例えば薬物代謝酵素遺伝子などの転写を促進し様々なタンパク質(酵素やホルモン)を産生します。その結果、例えば性ホルモン分解を促進したりその作用をブロックするなど内分泌機能が攪乱されます。
このような一連の生体反応は、皮膚において皮膚の老化(しみ、しわ)、様々な皮膚疾患、皮膚がんの発生などに関係していることがわかってきました。
続く。
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<30/01/2024 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>