紫外線から肌を守るには、日傘、帽子、日よけのための手袋などがありますが、やはりサンスクリーン剤(日焼け止めクリーム等)の使用が確実です。
まずはサンスクリーン剤について知るのが大切です。
①紫外線から肌を守る指標は2種類(SPFとPA)。
紫外線には主に2棲類あります。UVAとUVBです。
UVBは皮膚の表面に作用し赤く炎症を起こすほか、シミやそばかすの原因となり、また皮膚の細胞の遺伝子を傷つけ皮膚ガンを生じさせる作用があると考えられています。
UVAは皮膚を黒くするだけでなく、皮膚の深くまで入り込み、皮膚にダメージを与え、シワやたるみの原因となります。
UVBを防ぐ効果を表す指標がSPFです。
SPFは最大50と決められています。しかしながら最大のSPF50が一番効果的な印象がありますが、実際はSPF30あれば十分なのです。
SPF30とSPF50は、UVBに対する効果にほとんど差はありません。
PAはUVAに対する防御効果を示したものです。
+ ~ ++++の4段階で表示されます。
+が多い程効果が高いと言えます。
これらを合わせて、例えば「SPF45、PA+++」といった具合にサンスクリーン剤のスペックが表示されます。
②サンスクリーン剤の紫外線防御に対する効果は「散乱剤」と「吸収剤」によります。
「散乱剤」は、酸化チタンや酸化亜鉛などの金属の粉で膜をはり紫外線を鏡のように反射します。汗に弱く一定時間(3~4時間)ごとに塗り直しが必要です。
「吸収剤」は、紫外線を吸収する化学物質のことです。透明で白浮きせずサラサラで塗り易い利点があります。しかしながら紫外線を吸収する際に化学反応が起きます。熱エネルギーを放出するなど、起きる化学反応が肌に負担をかけてしまいます。刺激に敏感な人は、肌が荒れたり炎症が起きたりします。
③サンスクリーン剤の選び方
全ての人が同じ肌質ではなく、肌の敏感な人もいます。また時と場合に応じてサンスクリーン剤の選択も必要です。
最近では、吸収剤の含まれたサンスクリーン剤を「ケミカル」、含まれていないものを「ノンケミカル」と表現している製品が多いです。
ゴルフや行楽地でしっかりと紫外線対策をしたい人は、散乱剤と吸収剤を配合したケミカルのサンスクリーン剤を選択するとよいかと思います。
しかし肌が敏感でかぶれやすい人は、吸収剤の入っていない散乱剤のみのノンケミカルがお勧めです。
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<14/04/2023 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>