ニキビとは、皮脂を分泌する組織(皮脂腺)のある毛包に「毛穴のつまり」が生じそこに「アクネ菌」が感染して生じた化膿性皮膚疾患です。
西洋医学的治療のキーワードは、「毛穴のつまり」と「アクネ菌」です。
《アクネ菌の増殖を抑える》
プロピオニバクテリウム属のグラム陽性桿菌であるアクネ菌(P.acnes)は、お肌の常在菌です。
お肌を弱酸性に維持し黄色ブドウ球菌など有害な細菌を抑えてくれる、実はお肌にとっては善玉菌的な存在なのです。
しかしながらニキビの原因菌でもあります。
毛穴に詰まった過剰な皮脂の塊にアクネ菌が感染・増殖して、いわゆる赤ニキビになります。
このアクネ菌の増殖を抑えれば炎症を抑えニキビを改善できる、という理論です。
治療に用いられるアクネ菌の増殖を抑える抗菌薬には、塗り薬と飲み薬があります。
塗り薬:クリンダマイシン(ダラシンTゲル・ローション、クリンダマイシンゲル)
ナジフロキサシン(アクアチムクリーム・軟膏・ローション、ナジフロキサシンクリーム)
オゼノキサシン(ゼビアックスローション・油性クリーム)
飲み薬:ミノマイシン(ミノサイクリン)、ルリッド(ロキシスロマイシン)等
塗り薬は一般的に用いられます。塗り薬で改善するようなら継続した使用が求められます。
目に見えて改善するまでは時間がかかりますので、根気よく外用を続ける必要があります。
しかしながら長期間使い続けると、これらにアクネ菌が耐性を獲得してしまう可能性が指摘されています。
飲み薬は、悪化した時や症状が強い時(腫れて痛い時など)に使用が求められます。
《その他》
ビタミン剤内服:ビタミンB2、B6は皮脂分泌を調整するとされています。
ビタミンC誘導体含有ローション:ビタミンCは水溶液中では不安定なため、化粧品や医薬部外品等への利用が困難でした。しかし、安定型ビタミンC誘導体(アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム等)が開発され、直接皮膚からの吸収が可能になりました。皮脂分泌抑制作用と、皮脂を酸化させ炎症を起こさせる活性酸素(有害物質)を除去することでニキビを防ぐ効果があります。真皮内のコラーゲン合成を促進させることでニキビ痕の改善に役立ちます。また、毛穴を引き締める作用もあります。(注・これは処方薬ではありません)
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<08/12/2022 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>