前回(便秘の種類)、前々回(便秘とお肌の関係)のブログにて西洋医学的に便秘を考えました。
東洋医学的いわゆる漢方による便秘のとらえ方を考えてみます。
漢方では体質的な偏りによって便秘が起こると考えられています。
「血虚」による便秘
血虚とは血(けつ)の不足のため腸を動かす栄養が不足した状態です。腸内の潤いが失われ動きも悪くなり、便が硬くなってしまいます。
兎糞状のコロコロ便で硬くて出にくい状態です。
貧血傾向の人、産後や月経後、病後などに起こりやすい便秘です。
「気滞」による便秘
気滞とは気の巡りが停滞している、すなわち身体のエネルギーの循環が滞っている状態です。
腸の動きが不安定になり、便がしっかり出しきれない状態です。便が細く、残便感があります。
ストレスや緊張(旅行、仕事、育児など)が続くと気滞に陥り、腸の蠕動がうまく行かなくなります。便が停滞することによる便秘です。
「気虚」による便秘
気虚とはエネルギー不足の状態です。エネルギー不足のため腸の動きが弱く、便をうまく押し出せなくなります。
排便困難、排便に時間がかかったりします。
排便で疲れやすい人、風邪をひきやすい人、老人に多い便秘です。病後や術後にも多い傾向があります。
「陽虚」による便秘
陽虚とは身体を温める力が弱い状態です。そのため腸が冷えていて動きが悪く便を上手く出せません。
便は黒っぽくコロコロ硬くなります。
冷たいものの食べ過ぎや、老化、冷え性などが原因となります。
「陰虚」による便秘
陰虚とは全身の陰液が不足している状態です。そのため腸に潤いがなくなり、便が硬くなり便秘になります。
乾燥した硬いコロコロした便になります。
喉が渇き、手足がほてりやすい人(慢性的な脱水状態にある人)に多い便秘です。
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<27/09/2022 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>