便秘が続くと肌が荒れたり、ニキビや吹き出物が増えたり、張りやつやが失われたりします。
そもそも便秘とは何をもって便秘と言うのでしょうか。便秘によってお肌にどんな影響があるのでしょうか。
あらためて考察してみました。
「便秘」とは
理想的な便の水分量は70~80%です。90%を超えると水様便(下痢)となります。70%以下になると便は硬くなり、60%以下ではさらに硬くカチカチ状態になります。大腸内にたまった内容物の排出が悪いと、水分が吸収され過ぎて硬くなり、さらに排出が悪くなります。これによってお腹が張って不快感が生じ、すっきりしないなどの症状がある場合、これを便秘といいます。
1日に1~2回の排便が理想的と言われていますが、快適な排便回数には個人差があります。3日に1度でも気持ち良く排便できていれば便秘とは言えない場合もあります。
「便秘」とお肌の関係
腸内には悪玉菌(大腸菌など)と善玉菌(ビフィズス菌など)がいます。健康的な腸内環境では悪玉菌と善玉菌はバランスよく共存しています。食べた物から必要な栄養素を吸収して、残りのいらなくなった食べかすが便として排出されるわけですが 便が大腸内に長時間停滞すると、腐敗が進んで腸内の悪玉菌が増えます。すると腸内のタンパク質が腐敗し有害物質(アンモニア、フェノールなど)が発生します。これら有害物質は腸から吸収され血液へと送られ全身へ広がります。この有害物資が肌荒れを引き起こしニキビや吹き出物の原因になると言われています。また活性酸素が発生し肌の老化も促進します。悪玉菌が増える代わりに善玉菌が減少することによりビタミンB群の吸収が阻害され、肌荒れが進んだりニキビが増えたりします。
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<14/09/2022 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>