最近よく、治るのか治らないのか、と聞かれます。
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例えば、
ケガ・やけど:程度によっては、時間がかかったり傷痕を残したりしますが、治ります。(死に至るような重傷は除きます)
水虫:抗真菌薬を使用し適切な治療を行えば治ります。難治性の場合もあります。
かぶれ:かぶれの原因となっている植物や金属、湿布、化粧品などの使用や接触を避け、適切な治療を行えば治ります。
原因がはっきりしていて、己の免疫や治癒力により、あるいは意図的にその原因を除去することが可能な場合、適切な治療を行えば治る皮膚疾患は多くあります。
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一方、
体質、肌質、遺伝、家系、生活習慣などが原因となり、明確にその原因の特定や除去が困難な疾患、例えばアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性蕁麻疹などは、治すと言うより良い状態を維持するのが目標となります。
内服や外用剤などを用いて、辛い症状を抑えて快適な生活が出来るように治療するのです。
ある程度改善したからと言って治療を中止すれば、徐々に再発、悪化していくことはよくあります。
今の医学では、人それぞれの持って生まれた体質や肌質を、根本から変えてしまうことはできません。
内服や外用を続けていれば、体質や肌質が変わって湿疹や痒みの生じない体に変化して行くわけではないのです。
これらは治すのではなく、”自分のコントーロールの下に置くようにする”のです。
治る治らない (皮膚科情報)