ニキビは大別して、思春期ニキビとアダルトニキビがあります。
思春期ニキビは、男性ホルモンが多くなる思春期に始まるニキビです。
12歳から13歳ころ発症し、14歳~15歳ころがピークで、20歳ころに軽快します。
初発部位は主に額で、年齢とともに頬にも出現し、その顎や頚部にも見られるようになります。
つまり額から始まり顎・頚部に向けて下がっていく傾向があります。
思春期ニキビは比較的外用剤に良く反応します。しかしながら最初は良く反応していても、徐々に外用剤では収まりにくくなってくることがあります。
外用剤との相性もありますが、改善が乏しくなる原因として思春期ニキビにも悪化因子が存在しているようです。
2018年に日本臨床皮膚科医会が行った、12歳から24歳までの約920名に行ったニキビに関する疫学調査、があります。
その中で、思春期ニキビの悪化因子も調査しています。
18歳以上では、ストレスを悪化因子として挙げる割合が約67%と高く占めています。仕事や対人関係のストレスでしょうか。大学生なら、勉強、試験、就職などのストレスもありそうですね。
15歳~18歳の高校生では、睡眠不足とストレスが、それぞれ約58%、52%を占めています。部活、試験、受験などが原因でしょうか。
少中学生は、結果は多岐に渡り明確な悪化因子を自覚していないようです。
全年齢を通して「食べ物が悪化の原因になるのか?」が話題になるようです。
しかしながら約25%が食べ物は悪化因子になっていないと答えています。
悪化因子になると答えた食べ物は、チョコレートが約34%、揚げ物や脂っぽい食べ物が33%、ファーストフードが14%、ナッツ類が11%、でした。
最近の研究で、「血糖値を上げやすい食べ物がニキビを悪化させる可能性がある」ことが明らかになっているようです。
女性のニキビの悪化因子は、月経や化粧が挙げられます。思春期の中でも早ければ15歳くらいからお化粧します。
月経は約42%の女性で関連性を訴えています。28%は関連なしとの結果です。
関連ありと答えた人の約62%が月経前に悪化すると答えています。これは黄体ホルモンの影響と思われます。
化粧では、約19%が悪化する、約20%が関連性がないと答えています。基礎化粧品も含めた化粧の方法も関係ありそうです。
以上のようなデータを参考に思春期のニキビ治療に当たって行かなくてはなりませんね。
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<24/07/2022 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>