最近化粧品で”オールインワン”という言葉をよく耳にします。
なんとなく意味は分かります。「一つで全部用が足りてしまう」的な。
でも漠然としてよくわかりません。
どんなものをオールインワンというのでしょうか。どうやって作るのか。
気になって調べてみました。
基礎化粧品は、化粧水、美容液、乳液、クリームといった流れで使うのが一般的です。もちろん肌質や肌の状態に応じて使い方は変わりますが。
これらを一つにまとめるという発想で生まれたのが、オールインワン化粧品です。
オールインワン化粧品の定義は?
明確な定義はないようです。
保湿成分をはじめ、多くの成分を配合してゲル化したものを作れば、オールインワン化粧品と呼ばれるようです。
どうやって作る?
精製水、キャリアオイル(ホホバオイルやアルガンオイルなどの植物油)、増粘剤のキサンタンガムなどをベースに、保湿成分(グリセリン、コラーゲン、ヒアルロン酸など)と美容成分(ビタミンC誘導体、アスタキサンチンなど)を加え、高分子ポリマー(ゲル化剤)を使ってゲルにします。
高分子ポリマーは、文字通り高い分子量を持つ分子のことで、モノマー(単量体)が多数繰り返して結合してできた物質を指します。3次元構造の網目状構造を作り、そこに水や他の成分を吸収し体積を増やす(膨潤)ことで、液体と固体の中間的な性質を持つに至った物質、すなわちゲルを形成させます。
メリット、デメリットは?
多くの基礎化粧品を使わず一度で済むので、時間短縮と経済的負担の軽減を実現できるメリットがあります。
また目的に応じて、スキンケアに美容機能(美白、アンチエイジングなど)を加えた製品を選択できるメリットがあります。
一方、乾燥する冬は化粧水や乳液などを増やす、夏場は湿度でべたつくので保湿クリームを減らす、といった肌の状況や季節的な影響を加味してスキンケアの微調整が難しくなる、といったデメリットがあります。
結論
オールインワンを使ったら他の基礎化粧品を併用してはいけない、みたいな制限はありませんので、上手く併用すれば「鬼に金棒」かなと思います。
化粧品はサイエンスの産物であることを改めて学びました。
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<22/10/2021 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>