オリンピックは終了してしまい、暑かった今年の夏も終わりを告げようとしています。
少し寂しいかな。
でもコロナの勢いは相変わらずですね。一体いつ終わるのか。
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さて、相変わらずマスクは手放せない日々が続いています。
マスクの装着でニキビが増える事象は、すでにメディアや雑誌など各方面で目にしていると思います。
何故なのでしょうか。考察してみました。
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①マスクで皮脂分泌が増える
マスクとニキビの関係は、まだまだ臨床的なエビデンスが乏しいので明らかではないようです。しかしながら、マスク内に熱がこもると、表皮の角化細胞からアセチルコリンが分泌されるようです。アセチルコリンには、副交感神経や運動神経の末端から放出される神経伝達物質としてのアセチルコリンと、非神経性のアセチルコリンがあります。角化細胞からのアセチルコリンの分泌は、後者の非神経性アセチルコリンです。このアセチルコリンの作用で皮脂分泌が増加し、ニキビが出現しやすくなったり悪化したりすることが疑われているようです。
②擦れる物理的刺激
マスクによる擦れの刺激で、毛孔の角質が肥厚し毛孔を塞いでしまい、結果的に閉鎖面皰となりニキビとなります。
③皮膚のバリア機能が損なわれる
マスクによる擦れで、角質のバリア機能が損なわれアクネ菌の感染を惹起してしまいます。またマスク内の蒸れる環境も悪化の一因のようです。
また、マスク装着時はむしろ蒸れていますが、外すとマスク内の水分が一気に蒸散し、結果的に乾燥してしまいます。乾燥が進むと皮膚のバリア機能が低下しアクネ菌の感染が起きやすくなります。
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残念ながらまだまだマスク生活とは縁が切れないようですね。マスクによるニキビに悩まされる日々が続きそうです。つらい場合は皮膚科などで治療すことも選択肢と思います。
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<19/08/2021 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>
マスク で ニキビ が増える、悪化する。何故?