コロナ禍 でつい忘れてしまう 紫外線対策  | 札幌市中央区の皮膚科なら宮の森スキンケア診療室

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院長ブログ

コロナ禍 でつい忘れてしまう 紫外線対策 

コロナ禍でマスクは必須となり、さらに自粛が当たり前になって外出の頻度が減り、つい日焼けや有害な紫外線のことを忘れがちになってしまいます。
しかし相も変わらず有害な紫外線はコロナと関係なく地上に降り注いでいます。
ここで今一度紫外線に関心を持つべきでしょう。
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①紫外線とは
太陽から地球に届く光には、波長の短い順に「紫・青・緑・黄・橙・赤」の7色があります。この中で紫よりも波長が短く目に見えない光線が紫外線です。
紫外線には波長の長い順に「UVA、UVB、UVC」が存在します。このうちUVCは地球の大気圏のなかのオゾン層で吸収されるために基本的には地球には届きません。日常で問題になる紫外線は、UVAとUVBです。波長の長いUVAは、表皮を通過し皮膚の深く真皮まで到達します。一方の波長が短いUVBは、表皮までしか届かず、その大半は表皮でほとんど散乱し一部は吸収されます。

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②紫外線の肌に対する影響
A)日焼けとシミ
肌が紫外線を浴びると直後に皮膚が黒ずんで見えます(一次黒化)。これは主にUVAで起こります。皮膚に存在する無色のメラニン色素が光によって酸化され濃い色に変わるために起こります。
さらに長く紫外線を浴びると、皮膚が炎症を起こし赤くなり時に水泡が生じます(サンバーン)。この作用は主にUVBが原因です。
時間が経過し赤みが引いた後、徐々に皮膚が黒くなります。いわゆる日焼けです(2次黒化、サンタン)。これはメラノサイト(色素細胞)が活性化してメラニンを産生し、表皮細胞内に多くのメラニン色素が溜まる状態です。
一度黒くなった皮膚は元に戻るまで数か月かかります。しかしながら年齢と共に回復力が衰えシミになって残ってしまうことがあります。
B)光老化と発癌
皮膚深くまで到達するUVAは、真皮の成分であるコラーゲン、エラスチンといった肌の弾力や張りを保つ線維成分を変性させてしまいます。年齢を重ねるとジワジワと変性が進行し、皮膚が薄くなり深いシワの原因となります(光老化)。
また、UVBは細胞の遺伝子(DNA)にダメージを与えることがわかっていて、皮膚癌発生の原因となりえます。
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③紫外線対策(UVケア)
紫外線対策に最も重要かつ効果的なのは、日焼け止めクリームの使用です。まずは日焼け止めクリームについて知る必要があります。
日焼け止めクリームには必ずSPF、PAといった表示がされています。
SPFはUVBに対する防御効果を示したものです。1~50まで数値化されています。数値が高いほどUVBのカット効果が高いことを示しています。しかし実際は、SPF20とSPF50の間の差はそれほどないのが現実です。SPF30もあれば十分でしょう。
PAはUVAに対する防御効果を示したものです。「+、++、+++、++++」の4段階で表示されます。+が多いほど効果が高いことを示しています。
必ず日焼け止めクリームには「SPF35 PA(+++)」のように記載があります。購入の際に確認してみてください。
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コロナと関係なく紫外線は地球に降り注いでいます。ご注意を。
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<26/06/2021 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>