その4のアップをもたついてる間に、あっという間に本当に寒くなりました。
暖房が欲しいと思ってしまいます。
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閉塞剤となる油脂性成分を含む油相としてのエモリエント、ヒューメクタント、そして水分を含む水相が乳化された乳剤性の軟膏・クリーム・ローション・ゲル・フォームなどを基剤とした保湿剤。それだけで十分保湿するに足るものですが、使い方によって微妙に効果が違ってきます。
効果的な使い方について考えます。
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<塗布量>
たくさん塗った方が保湿効果が高いような気がしますが、適量の目安があります。
クリームの場合指の先端から第一関節までチューブからの外用薬を伸ばした量(1FTU=ワン・フィンガー・チップ・ユニット)を、ローションの場合手の平の窪みに1円玉くらいの大きさの量を、これらを両手のひら相当の範囲に塗布するのが適量の目安です。
それ以上の量を塗っても保湿効果に影響しないという研究結果が出ています。ですから塗れば塗るほど保湿効果が高くなるわけではないのです。かえってべたつき感が不快の原因になるかもしれません。適量をしっかり塗るのが大切です。
感覚的には、「保湿剤の油分で皮膚の表面が光る程度」「ティッシュ1枚が貼り付く程度」がベストです。
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<使用回数>
一日1回塗るより、一日2回塗った方が明らかに保湿効果が高いという研究結果が出ています。特に忙しい朝に保湿剤を塗るのは大変煩わしいですが、朝と夜(可能なら入浴後)の2回の保湿剤の塗布が効果的です。
またアトピー性皮膚炎の方の場合、そうでない人に比べて保湿剤の使用を中断すると塗布前の状態に早く戻ってしまいます。ですからアトピー性皮膚炎の方は毎日連続して保湿剤の塗布が理想的です。
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<剤形>
剤型によっても若干の保湿効果の違いが生じます。ヘパリン類似物質含有保湿剤(ヒルドイド等)の場合、ローション剤の方が、クリーム剤(ソフト軟膏を含む)よりも10%程度保湿効果が高いようです。
使用感も重要な要素です。手早くローションで保湿するのが好きな人もいれば、クリーム剤の使用の方が保湿された感じが高いと感じる人もいます。
夏はローション冬はクリーム、といった使い分けも賢い使い方です。自分にとって心地よい保湿剤の選択が継続した保湿につながります。
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気は早いですが、これから訪れる冬はしっとりした健康的な肌で乗り切りましょう。
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<23/09/2019 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>
今はもう秋? もうすぐ寒くなってお肌の乾燥の季節です。すなわち保湿の季節です。 その4 (皮膚科情報)