最近新たに治療が開始されたがん治療は、大変画期的で効果的であり喜ばしいことなのですが、費用がかなり高額になってしまうという難点があります。
例えば、がん免疫療薬の「オブジーボ」は年間約1000万円ほど、白血病の新たな治療薬「キムリア」は一回約3300万円ほどかかります。もちろん保険適応になっており、高額医療制度を利用することが可能ですので、患者さんの実際の負担額はもっと少なくすみます。
・・・・・・・・・・
高知大学名誉教授の小川恭弘医師が2006年に開発した療法で、「コータック」という現在治験中の治療があります。「コータック」は、乳がんなど臓器や骨にできる固形がんの放射線治療を行う際に、オキシドールとヒアルロン酸の混合液をがんに注射することで、放射線の効き目を飛躍的に増大させる治療法です。
8月27日、イギリス・マンチェスターで開催された「国際放射線研究学会(ICRR)2019」でその有効性が報告されています。
小川医師によると、局所進行乳がん、あるいは再発乳がんに対し45%に部分緩解をもたらしたこと、55%で進行を食い止めた、とのことです。そして驚くべきことは、一回の治療費(薬価)が約500円ですむことです。なんと500円ですよ!しかし皮肉なことに、治療費(薬価)が安すぎて儲からないため製薬会社が開発に二の足を踏んでいるとのことです。資本主義とはいえ大変残念です。
現在3年後2022年に日本での認可、保険適応に向けて研究を継続しているとのことです。ぜひ実現して欲しいと思います。
https://news.livedoor.com/article/detail/16989664/
・・・・・・・・・・
<30/08/2019 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>
安価で効果的な新しいがん治療「コータック」