果物や穀物のアレルギーはよく耳にします。同様に野菜に対するアレルギーも存在します。
通常は食べるだけではそれほどアレルギーを発症するリスクは高くありませんが、野菜を常に扱う農業などの生産に関わる従事者、調理師、八百屋さんなどは発症のリスクが高いです。しかしながら、野菜を扱う機会の多い主婦や最近の家庭菜園ブームで野菜を栽培し接触する機会の多い人などは、身近に野菜アレルギー発症のリスクが存在します。
野菜によるアレルギー病変は主に触れる手や上肢に起こります。野菜に含まれる刺激物質によって生じる一次刺激性皮膚炎、アレルギー機序による接触皮膚炎や接触蕁麻疹、野菜の持つ蛋白に対する蛋白質接触皮膚炎(protein contact dermatitis)として発症します。これらは、接触機会の多さ、遺伝的素因、アトピー性皮膚炎や手湿疹などのバリア機能の低下などにより感作されやすくなり発症の原因となります。
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どんな野菜が野菜アレルギー発症の原因となりやすいのでしょうか。
アブラナ科のキャベツ、白菜、ブロッコリー。アオイ科のオクラ。ウリ科のキュウリ。キク科のレタス。キジカクシ科のアスパラガス。サトイモ科のサトイモ、コンニャクイモ。ヤマノイモ科の山いも、長いも。シソ科のシソ、バジル。セリ科のセロリ、パセリ、ニンジン。ナス科のトマト、ナス、ピーマン、パプリカ。ヒガンバナ科のニンニク、玉ねぎ。などが代表的なものとして挙げられます。
この中で、農業など野菜生産にかかわる従事者に原因となりやすい野菜は、レタス、ニンニク、セロリ、山いも、長いも、白菜が挙げられます。一方調理師など調理で野菜を扱う機会の多い人が発症する原因となりやすい野菜は、ニンジン、パプリカ、レタス、ナス、ニンニク、玉ねぎが挙げられます。
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アトピー素因を持っている、手荒れがひどい状態で野菜を扱う、趣味の家庭菜園など、農業従事者や調理師でなくても野菜アレルギーを発症してしまう可能性があります。ご注意ください。
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<04/02/2019 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>