保育園、幼稚園、小学校等で時々アタマジラミが流行します。アタマジラミと言えば、昔のイメージが強いですが、今も普通に存在します。
清潔にしていれば大丈夫とか、不潔にしているからだとか、まったく関係ありません。
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①アタマジラミとはどんな虫か?
人の頭髪について、頭皮から血を吸います。血を吸われるとかゆみを伴います。
成虫は体調2~4ミリ、卵は0.4ミリほどです。
成虫は髪の毛の奥に潜んで、なかなか見つけることはできないのですが、特徴的なのは髪の毛に付いたアタマジラミの卵です。白いフケのような小さい塊が髪の毛のしっかりと付着しているのを発見すると、アタマジラミの卵が疑われます。指で取ろうとしてもなかなか取れないのが特徴です。すぐに取れるのはヘアーキャストといってフケの一種である場合が多いです。
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②どうして子供にアタマジラミは多いのか?
自分で頭髪を丁寧に洗えないため、虫が居座ってしまうこと。子供は、身を寄せ合って遊んだり(頭をこすりあう)寝転がって遊んだりする機会が多いためうつりやすい。保育園、幼稚園では昼寝をし、小学校では帽子の共用、体育のマット運動など、間接的に虫がうつる機会が多い。以上のような理由だと考えられます。
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③アタマジラミを疑ったらどうしたらいいのか?
親御さんが、間違いないと判断できれば良いのですが、判断に困った場合は皮膚科受診をお勧めします。アタマジラミや卵を顕微鏡で確認すれば診断は確定します。
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④治療は?
駆虫剤(スミスリンシャンプー、スミスリンパウダー)で治療します。これは市販されているものです。病院で処方できるものではありません。
注意書きに書かれた使用方法を守って使うのが大切です。中途半端にやめたりすると駆除できません。
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⑤家族にもうつるのか?
一緒に頭を寄せあって寝たり、枕カバーやタオルを共有したりしていると、家族内でうつしあうことが時々あります。この場合、他の家族も一緒に治療が必要になります。
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⑥その他、大事なこと。
必要以上に怖がらないために、アタマジラミの特徴を知ることは大事なことです。
アタマジラミはノミのようにピョンピョン跳ねることはありません。髪の毛にしがみついていないと生きていけないのです。床や地面に落ちた虫は、3日で死にます。
アタマジラミは熱に弱く、枕カバーやタオルを捨てなくても、約60度以上のお湯に10分程つければ死にます。さらにアイロンをかければ完璧です。
そして犯人捜しはやめましょう。流行れば誰にでもうつる可能性があります。保育園や幼稚園、小学校が悪いわけでもありません。
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<21/06/2018 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>
アタマジラミに注意。今も昔も。 (皮膚科情報)