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ファンデーションの基礎知識 ファンデーションの変遷について (皮膚科情報)

太古の昔から人類は、体に黄土を塗ったり体に化粧をしたりしていました。埋葬品などからその形跡が見つかっています。弥生時代に日本でも体に赤の化粧がされていたようです。古代エジプトのツタンカーメン王の黄金マスクにはアイラインが明確に描かれています。
このように人類の歴史には、並行して化粧の歴史が存在するのも事実であります。
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現在のファンデーションの原型は1950年代に出来ました。マックスファクターの固形ファンデーション「パンケーキ」が1937年に発売され、その後映画「風と共に去りぬ」で使用されたこともあり大ヒットしました。これを基本にして、1960年代は水を含んだスポンジで取る「ケーキタイプ」のファンデーションが主流でした。中でも日本では「ビューティーケイク」が有名です。これら「ケーキタイプ」は水になじんだ状態(水の中に油の粒子が存在する状態、O/W)でスポンジに取り、肌に塗布されると、汗などの水を弾いて取れにくくなる状態(油の中に水の粒子が存在する状態、W/O)に変化(転相)し、肌にしっかりとフィットする仕組みを利用したものです。

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1970年代になると、乾いたスポンジを使う「パウダリータイプ」のファンデーションが出現します。持ち運びが便利で手軽に使用でき、肌への伸びがよくさらっとした仕上がりが特徴です。水を使わない分ややマット(ツヤツヤしない)な印象があります。
この時代は、「水を含んだスポンジ」と「乾いたスポンジ」を使う2つのタイプのファンデーションが店頭に並ぶことになります。
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1979年に、水あり水なしのどちらでも使える「両用パクト」”ナツコ”が世界で初めて登場します。2Wayファンデーションとも言われます。夏の暑い時は、水ありのほうが清涼感があり、化粧持ちも良いと話題になりました。また「世良正則とツイスト」の「燃えろいい女」をCMソングにタイアップし大ヒットしました。自分もそのころ高校生で、毎日のようにそのCMをテレビで見ていました。
水を含んだスポンジを使用した後はファンデーションの粉末表面が硬くなり、次に乾いたスポンジで取ろうとしてもうまく取れません。これをケーキングと言います。これを回避するために”ナツコ”では、ファンデーションの粉末にシリコン処理を行い、水を弾くように作成しケーキングを避けることに成功しました。ですから汗にも強い仕上がりになります。

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パウダータイプと並行して、リキッドタイプも使用されていましたが、1980年代になると、「乳化タイプ」のリキッドファンデーション(乳液やクリームに色素顔料を混ぜ込んだタイプのもの)を固めてコンパクトに入れ、スポンジで取ると乳液状になり、乳化タイプの使用感が得られ、なめらかに肌に広がる「固形乳化タイプ」のリキッドファンデーションが開発されました。
乳化タイプを固めるには、油相に色素顔料の粉末を均一に分散させなければなりません。これにはシリコンのガスを使用し、色素顔料の粉末に薄く均一な表面処理を行うことで、油相に粉末を均一に分散させることが可能になり、乳化タイプのリキッドファンデーションを固めることができたのです。画期的な発明でした。
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現在のファンデーションの主流はパウダリータイプのファンデーションのようです。様々なメーカーが開発にしのぎを削っています。
ファンデーションの歴史は、水と油と粉(色素顔料)の科学の歴史と言ってもいいと思います。
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<19/02/2018 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>