最近は少なくなりましたが、時々「ステロイド剤は使いたくない」と訴える人がいます。
どうして使いたくないのですか?と聞くと、わかりやすく理由を説明してくれる人はあまりいません。「怖い薬だと聞いた」「人に使わない方が良いと言われた」「友達から知り合いにステロイドでひどい目にあった人がいると聞いた」等の伝聞や受け身的な漠然とした理由が多い気がします。悪いイメージが先行しているのかも知れません。
1992年に放送された某有名報道番組で、某有名キャスターが特集でステロイド剤を取り上げたのが事の発端となり、ステロイド剤の誤った認識がいっきに世の中に広がった、と言われています。インターネットもなかったその頃は、テレビの影響は絶大でした。
自分は、ステロイド外用薬は極めて一般的な薬であるし、上手に正しく使えばとても有益な薬だと思っています。もちろん副作用のない薬は存在しません。ステロイド外用薬も同じです。
ステロイド外用薬を使うか使わないかは、最終的には本人が主体的に決めるべきと思っています。強制するものでも、されるものでもありません。ただ使うときは医師の指示に従って正しく使ってください。副作用のチェックも含めて医師の診察の上で処方してもらってください。そして使用に際して、疑問や不安に思うことを直接医師に遠慮なく聞いてください。
ステロイド外用薬に踊らされてはいけないのです。ステロイド外用薬を自分のしもべのように使いこなして欲しいのです。
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<24/08/2017 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>
ステロイド外用薬 使う?使わない?