最近はすっかり診療所も自宅も暖房が常に運転されている状況で、しかもとっても寒くなり肌が乾燥する季節になりました。
寒くなると肌の乾燥が進み、体のあちらこちらが痒くなります。
気温や外気の湿度、暖房の状況で乾燥肌の進み具合は違いますが、無視できない事実として加齢とともに乾燥肌傾向が顕著になるのです。
自分の場合、寒くなって痒くなるのが年々確実に早まっています。(笑)
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肌は、乾燥した環境に置かれると、数時間のうちに角質の水分量が減少し、皮膚表面のきめが粗くなり、シワが出現する事が分かっています。
すると乾燥する事によって、様々な刺激から守ってくれる肌のバリア機能が損なわれ、より多くの刺激を直接肌が受けることになります。
痒みは肌の比較的浅いところ、表皮と真皮の境界部の真皮側に存在する知覚神経終末で感知され、大脳皮質で認識されます。肌が乾燥するとこの知覚神経は、より皮膚の表面に近い表皮内にまで侵入・増生し、様々な刺激により直接活性化し、わずかな刺激でもより多く痒みとなって大脳皮質に伝達されるようになります。さらにはバリア機能が損なわれることによって、より多くの刺激にさらされ、痒み刺激は量的にも増すことになります。
痒くてついつい掻いてしまいますが、この行動が痒みを感じる神経線維をさらに活性化し痒みを増強させ病態の悪化を招きます。端的に言えば、掻けば掻くほど痒くなり症状が悪化するのです。
<肌の表面が白くカサカサし、うろこ状に角質が剥がれる>
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思い当たる人は意外に多いと思います。
この冬は、低湿度環境を改善し保湿剤の使用を徹底するなど、環境と肌の状態を整え、先手必勝で肌のトラブルを未然に防ぎましょう。
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<14/11/2016 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>
肌が乾燥する季節。なぜ乾燥すると痒いのか。 (皮膚科情報)