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お肌の基礎知識

vol.16 冷え症

特に寒いというわけでもないのに手足が冷たい。ふとんに入ると、足が冷えてよく眠れない。冷房にあたると体調を崩しやすい。このような状態を一般に「冷え症」といいます。特に女性に多くみられます。西洋医学ではこれらを特に病気として考ませんが、東洋医学いわゆる漢方医学では、一つの疾患概念としてとらえています。日常生活に支障のない程度なら良いですが、「冷え症」がもとで体調を崩すこともあります。また、女性の場合「冷え症」に生理痛、便秘、頑固なニキビなどが加わったりすることがよくあります。

冷え症は何故起こる。

漢方医学にはお血という概念があります。これは簡単に説明すると、体内の血液の巡りがスムーズでなく体内で滞る状態です。目に見えないので理解しにくいですが、例えば打撲で患部がうっ血で赤黒くなっているのもお血の一つです。全ての肩こりに当てはまるわけではありませんが、肩こりもお血の一つです。つまり肩の筋肉内に血液が滞っている状態です。こった肩をもんでもらうとジーンと熱くなり、いかにも血行が良くなったと感じた経験が誰にもあるはずです。このようなお血という状態が手や足、特に下半身に見られると冷え症が起こるのです。

解決策は

冷え症だけであれば、手足を冷やさないような工夫、例えば靴下やストッキングを普段からしっかりと履くようにする、靴下を履いて寝るなど、ある程度日常生活の中で解決可能です。しかしながら、冷え症に生理痛、便秘、頑固なニキビ、肩こりなどが合併することがよくあります。この場合は治療を考えた方が良いでしょう。冷え症に伴うこれらの症状も、程度の差はありますがお血が関与していることが多くあります。
治療は漢方薬が中心になります。いわゆる駆お血剤といってお血を取り除く薬が有効です。桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)・加味逍遙散(かみしょうようさん)・大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)などが代表薬です。その人の体力や体格、体質などを参考にこれらの薬を使い分けます。

冷え症とニキビの関係

ここで視点を変えて皮膚を中心に目を向けてみると、頑固なニキビで悩んでいる人の中で、冷え症があり、生理不順や生理痛があり、時に便秘や肩こりに悩まされる、こんな人が意外と多くいます。もちろんニキビの原因には様々な要素がありますが、このようなニキビの場合はお血が関与している場合が多くあります。したがって駆お血剤が有効である可能性が高いといえます。