あらゆる細胞には、体内時計を制御する時計遺伝子があります。代表的なものは、Click, Bmall, Period, Cryptochrome などです。これらの時計遺伝子の転写、翻訳の流れが概日リズムの制御に重要な役割を果たしています。
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これら時計遺伝子は、皮膚の細胞にも存在します。これらにより、ケラチノサイト(表皮の角化細胞)やファイブロブラスト(真皮の線維芽細胞)など皮膚の個々の細胞が自律的に時を刻んでいます。そしてこれら皮膚の末梢時計は、視交叉上核に存在する中枢時計によって、ホルモンや自律神経を介して同調されています。
皮膚が持つ様々な生理機能、例えば皮膚の温度、皮膚表面のpH、毛細血管の血流量、皮脂の分泌、皮膚のバリア透過性、経表皮的水分喪失、ケラチノサイトの細胞増殖及びターンオーバー、創傷治癒、掻痒などが体内時計によって制御されていることがわかっています。
それでは、体内時計は皮膚疾患の病態や症状の制御に関わっているのでしょうか。
続く
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<10/07/2020 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>
体内時計と皮膚の関係 その2(皮膚科情報)