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院長ブログ

猛毒「トリカブト」は漢方薬の要です。 (漢方情報)

「トリカブト」と言えば猛毒の植物です。きれいな花を咲かせますが、食べたら死ぬこともあります。

自分は、子供の頃「仮面ライダー」を毎週見てました。毎回登場するショッカーの怪人は、作り物とわかっていても、とっても怖かった思い出があります。中でも印象深いのが怪人トリカブトです。
最後には仮面ライダーが必ずやっつけてくれるのですが、子供ながらに「トリカブトって名前が怖い。トリカブトって何?」と好奇心を掻き立てられ調べたことがあります。猛毒の植物だと知ったのはその時です。食べたら死ぬ!恐ろしい植物なんだ!と学びました。
自分にとってトリカブトは恐ろしい植物であり、恐怖のショッカーの怪人でした。

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で、トリカブトは漢方薬で用いられるているのをご存知でしょうか?
附子(ぶし)と言います。トリカブトの球根を乾燥させたものです。修治と呼ばれる弱毒処理を行って漢方薬の生薬として使われます。

「新陳代謝機能の極度に減衰したものを回復させ、気をめぐらし冷えを除き、強心・利尿作用があり、麻痺、疼痛を治す」とされています。漢方薬を構成する生薬の一つとして大切な位置を占めています。いわゆる要といってもいいくらいです。
毒を薬に変えてしまう。人類の知恵ってすごいですね。
附子を含む主な漢方薬には、真武湯、麻黄附子細辛湯、八味地黄丸、四逆湯などがあります。
当院でも、麻黄附子細辛湯や八味地黄丸は頻繁に処方しますし、自分もよく服用します。
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実はもう一つ面白い話があります。附子(ぶし)は「ぶす」とも言います。
使うべきでない言葉の一つですが、いわゆる「ブス」は、トリカブトの毒を服用すると、筋肉がマヒして顔が無表情になることからきていると言われているのです。なんとブスの語源は附子、トリカブトだったとは。。。
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かつては怖い対象だったトリカブトを、身体を温めたり滋養強壮を促す薬として使う立場になるとは。
人生とは奇異なものですね。
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<24/03/2020 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>