ビタミンCの発見と大航海時代 その③ | 札幌市中央区の皮膚科なら宮の森スキンケア診療室

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ビタミンCの発見と大航海時代 その③

英国海軍医ギルバート・ブレーンが、海軍の全船でレモン果汁を「毎日」食料に支給するようにしたことで、海軍や長期の航海において壊血病は一掃されました。
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その後、19世紀に入り生化学的に抗壊血病因子の研究が進める研究者が現れました。
水溶性であること、熱に弱いこと、抗酸化作用が強いことなどが明らかにされました。
さらなる解明のために動物実験も行われましたが、動物実験でよく使われるイヌ、ネコ、ネズミなどは壊血病になることのない動物であったためうまく行きませんでした。
1907年にノルウェーのアクセル・ホルストがモルモットを使って壊血病を発症させることに成功しました。実は、多くの動物は自ら抗壊血病因子を作ることができる一方、霊長類であるヒト、サル、そして霊長類以外ではモルモットなどごく限られた動物だけが抗壊血病因子を食事から摂取しなければならなかったのです。
1920年に英国のジャック・C・ドラモンドは、オレンジ果汁から還元性のある抗壊血病因子を抽出し、これをビタミンCと呼ぶことを提案しました。
1927年には英国で研究していたハンガリー人のアルベルト・セント-ジェルジがウシの副腎から強い還元力のある物質を単離し、「ヘキスロ酸」として発表しましたが、1932年にこれがビタミンCであることが判明しました。
1933年に英国のノーマン・ハースによってビタミンCの構造式が決定されてアスコルビン酸と命名されました。scurvy(壊血病)に否定を表す”a”を加えてアスコルビン酸としました。

1933年にはスイスのライヒシュタインが有機合成によるビタミンCの合成に成功しました。
1937年にアルベルト・セント-ジェルジとノーマン・ハースは、これらの功績からノーベル賞を受賞しています。

アルベルト・セント-ジェルジ

ノーマン・ハース
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このように、15世紀の大航海時代に不治の病と恐れられていた壊血病の原因が、ビタミンC(アスコルビン酸)の不足が原因である、と判明するのは、20世紀に入ってからなのです。
現在当たり前のように語られるビタミンCですが、その発見と解明には長い道のりがあったのです。
完。
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<17/06/2019 札幌市 中央区 皮膚科・形成外科 宮の森スキンケア診療室>