痒みは結構つらくストレスになります。蕁麻疹で悩んでいる方はその痒さゆえ結構なストレスを抱えています。
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蕁麻疹は、紅斑や膨疹が生じ痒みを伴う皮膚疾患です。何らかの原因で皮膚に存在するマスト細胞(肥満細胞)からヒスタミンなどの活性物質が遊離されて起こります。日常よく見られる疾患であるにも関わらず、単一な決定的な原因がいまだにわかっておりません。
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蕁麻疹には大きく2つのタイプがあります。
何らかの直接的誘因によっておこる「刺激誘発型の蕁麻疹」と、自然発生的におこる「特発性蕁麻疹」です。
「刺激誘発型の蕁麻疹」には、特定のアレルゲン(食物・薬品・植物・動物・ハウスダストなど)によって起こる”アレルギー性蕁麻疹”、機械的刺激(こすれたり、ひっかいたりの刺激)や寒冷刺激、温熱刺激、日光(紫外線)刺激などで起こる”物理的蕁麻疹”、入浴・運動・精神的緊張などで汗をかいたり、発汗を促す刺激が加わった際に引き起こされる”コリン性蕁麻疹”、などがあります。
「特発性蕁麻疹」には、”急性蕁麻疹”と、1か月以上続く”慢性蕁麻疹”があります。これらはいずれもこれと言った原因がないのが特徴です。急性蕁麻疹は、風邪などの原因となるウイルスとの関連が指摘されていますが明確ではありません。
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「刺激誘発型の蕁麻疹」と「特発性蕁麻疹」では、圧倒的に多い(蕁麻疹の8割程度)のが「特発性蕁麻疹」です。
「刺激誘発型の蕁麻疹」は、あれを食べると蕁麻疹が出る、あの薬を飲むと、冷たい風に当たると、お日様に当たると・・・といった具合に本人にある程度自覚があります。しかしながら「特発性蕁麻疹」の場合、本人に原因となるものの自覚がないのが特徴です。
ですから原因として自覚のない蕁麻疹の場合、原因の特定は困難であるのが現実です。
蕁麻疹の原因を調べて欲しい、とよく言われます。検査をしてわかるのならいいのですが、結局は不明と言わざるを得ないことが多いのです。
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「刺激誘発型の蕁麻疹」の治療は、原因となる誘発因子を避けることです。
「特発性蕁麻疹」の治療は、蕁麻疹を抑える抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤の内服です。比較的長期に内服する必要がありますが、いずれ薬の減量や中止が可能になることが多いので、根気よく治療することが大切です。
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<01/09/2016 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>
蕁麻疹の原因は検査すればわかる? (皮膚科情報)