先日ご近所さんのお家の外壁に、知らない間にスズメバチが巣を作ってしまい、専門業者がその除去を行っていました。無事撤去されて一安心です。
8月9月はスズメバチの活動が活発になる時期です。
見るからに怖いスズメバチ。日本には16種が存在し、北海道にはそのうち14種がいます。
刺されないようにはどうしたら、そして万が一刺されてしまったらどうしたらよいのでしょうか。
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まずは敵を知りましょう。
1)北海道に生息するスズメバチは主に、オオスズメバチ、ケブカスズメバチ、コガタスズメバチなどです。このうちオオスズメバチは3~4cmと大型で極めて攻撃性が高く危険です。ケブカスズメバチは住宅の天井裏や軒下に巣を作ることが多く、札幌では一番駆除件数が多いようです。
2)6月7月は巣作りが盛んに行われ、多くの働きバチが出現し、女王バチは産卵に専念します。8月9月は新女王バチが生み出され、この時期は巣を守ろうと働きバチは最も神経質になります。
3)毒針はメス(女王バチと働きバチ)だけが持ち、オスにはありません。ですから刺すのはメスバチのみです。一度刺すと死んでしまうミツバチと違って、何度も刺すことが出来ます。
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どんな時に刺そうと攻撃してくるのか。
1)敵が巣に近づいたり、巣に危害を加えようとしたりした場合に、巣を守ろうとして攻撃してきます。しかしその意図がなくても、知らずに不用意に近づくと敵と認識し攻撃してきます。
2)例えば人がスズメバチに遭遇し、急に払いのけようとするなど、ハチ自体が危険を感じたときに攻撃態勢に入ります。
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危険な兆候は。
1)しつこく廻りを飛び回る時。
2)狙いを定めて、空中で停止している時。(ロックオン!)
3)アゴをかみ合わせて、「カチカチ」と音を出す時。(怖っ!)
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刺されないための注意点は。
1)当たり前ですが、巣を見つけたら絶対に近寄らない。
2)頻繁にスズメバチを見かける時は、近くに巣がある可能性が高いので注意する。
3)一匹のみ見かけた場合は、刺激しないように放っておく。払おうとすると襲ってくる。
4)黒い色に反応するので、白など明るい色の服装をして野山に入る。
5)香水や清涼飲料水の匂いに反応し興奮するので注意。
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万が一刺されてしまったら。これが一番重要。
1)アレルギー体質の人は特に注意が必要です。”アナフィラキシーショック”を起こすことがあります。”意識がもうろうとしたり、呼吸困難、血圧低下などがあればショック症状の兆候”です。こんな症状がある時は、一刻も早く医療機関を受診しましょう。時に救急車を呼ぶのをためらってはいけません。
2)特にショック症状がない場合でも、被害を最小限にするために、刺されたらすぐに指でつねるなどして毒を絞り出すことです。市販されているポイズンリムーバーの使用が効果的です。野山に行くときは携行するのが得策です。
3)刺された場所を冷水や保冷剤で冷やす。
4)医療機関を受診する。ステロイド外用や抗アレルギー剤等の内服が必要な場合があります。
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現在夏休み真っ只中です。野山へ行くときはスズメバチだけでなく様々な危険な虫の存在をお忘れなく。
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<04/08/2016 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>
夏休み真っ只中です。野山へお出かけの際はスズメバチに注意。 (皮膚科情報)